3石ディスクリートヘッドホンアンプ(改)

 以前に作ったものが存外に良かったのでちょっと変更してみました。

3石ディスクリートヘッドホンアンプ基板
 3石ディスクリートヘッドホンアンプ基板

 元記事では終段のトランジスタが2SA950/2SC2120だったものを、最近リリースされたデバイスに変更してみました。トランジスタは東芝のオーディオアンプ終段用のバイポーラトランジスタTTA004B/TTC004Bです。
 TO-92やらTO-220のパッケージをどんどん廃止して表面実装デバイスに切り替えているご時勢にあえてハンダ付けできるパッケージ(TO-126N)にPNP/NPNのコンプリメンタリで揃えて出してくるあたり、なにか吹っ切れたような潔さを感じます。

新旧基板(旧:左、新:右)
 新旧基板(旧:左、新:右)

 もともと奇麗な音のするアンプだったのですが、聴き比べてみると低音がさらに増強されグッと深みの増した音になりました。元のパーツ構成と違う部分は終段のトランジスタ以外には抵抗類をすべて金属皮膜1%のものに変更し、フィルムコンデンサをニッセイのメタライズドポリエステルフィルムコンデンサMTFにしています。終段に並列に入っていたコンデンサもOS-CONにしてみました。本当はタンタル電解が良いのでしょうが、故障時にショートモードになるのでオープンモードになるコンデンサにしてしまいました。
 抵抗類を変更したのが要因かとも思われますが、少し音が硬くなった印象を受けるものの数値的解析をしていませんが高音特性や立ち上がり特性が改善されたのでは無いかと推測されます。
 定数違いは出力段の抵抗を10Ωから8.2Ωに変更してみました。電源デカップリングコンデンサの2200μFの大きさが違うのは旧基板は耐圧16Vで新基板が耐圧25Vなせいです。狙った訳では無く単なる買い間違い(苦笑)。高さが違いますがケースに入るので良しとしましょうか。まあコンデンサは耐圧が大きい方が性能が良いらしいですのでこれで良いかと。
 やっぱり変な癖も無く聴き疲れしないアンプです。ダイヤフラムの大きいヘッドホンでもパワフルに鳴らしてくれます。終段のトランジスタは思ったより高い温度になりますのでダイオードはちゃんと熱結合しておく事をお勧めします。
 こちらと旧基板と両方常用するためにもうひとつ筐体を製作し、2台運用してやろうかと思うくらいですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA