日本橋探訪(#244)

 現在はこの屋号はありません。

中川ムセンの看板
 中川ムセンの看板
 2021年10月撮影
 補正をかけているので実際はもっと色褪せている

 この看板のあるビルはかつてマトウ家具のビルだったもので当時は上層階にマトウ家具、下層階に中川ムセンが入っていましたが、現在は信長書店が全フロアを占有しています。マトウ家具もすでに廃業・撤退しており日本橋には無いこの二つの店舗看板は完全に過去の遺物として残っています。撤去するにせよ付け替えるにせよ費用が嵩むため放置されているのでしょう。
 日本橋ではニノミヤ(創業時は二宮無線電機商会)に先駆け1981年に電器店としてスタート。往年の電器街華やかな時代では個人商店であったスズキデンキや喜多商店なども最盛期でオーディオ専業店も含めて電器製品を購入するために訪れた人たちで活気あふれ賑わっていました。しかしながら電気街の衰退からは逃れられず他店舗も含めた会社の経営悪化によりキョウデン傘下に入る事になります。中川ムセン本店はナカヌキヤとして再スタート、しかし残念ながらその後も業績は好転せず日本橋から2004年に撤退、本店だった場所は2006年に建物も解体されて現在はマンションになっており当時の面影は全くありません。

当時の本店付近の航空写真
 当時の本店付近の航空写真
 かつて大阪日本橋でんでんタウンで生まれ育ったおっちゃんの想い出ブログ。から
 1984年(昭和59年)のでんでんタウン航空写真より引用、切り抜き・補正加工

 最盛期には日本橋には日本橋本店・日本橋北店・日本橋中央店・日本橋中店・NAMUにっぽんばし店・4丁目店など多数店舗展開していましたが現在は全て見る影はありません。
 秋葉原も電器街だったのがほぼ風俗のような店舗が蔓延しているのと同様、日本橋もオタロードを中心とした一本裏の筋が同様な状態で今や電器街とは言いがたい状況です。古い店舗が取り壊されマンションやホテルになっている場所も増えてきました。
 幸いにして私がよく利用している電子部品店はまだまだ健在で(マルツは日本橋の店舗撤退、業務を別の場所に移しましたが大阪撤退ではありません:日本橋探訪(#240)参照)オンライン通販では見つけることのできない商品を見つけるために徘徊できる状況がなんとか保たれているのが唯一の救いでしょうか。
 

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