TDA7297アンプ(その1)

 サクッと作るパワーアンプ。

TDA7297
 TDA7297

 STMicroelectronicsのパワーアンプICであるTDA7297を使ったパワーアンプ。
 外付け回路がほとんど不要、IC1つでステレオパワーアンプを構築できる便利なICです。

キット一式
 キット一式

 ぞんざいなパッケージングの怪しい中華なキット(写真は到着した現物そのままです)を購入しました。
 AmazonやAliExpressなどではこのICを使用した放熱器にボリュームまでつけてあって電源を繋げば即座に使える激安完成品も販売されているようでしたが、筐体に入れる前提なので基板オンリーのキット(というより部品セット)を選択しました。当然のように説明書なんてありませんがシルク印刷で定数が記載されているので問題はありません。

アンプ基板
 アンプ基板

 同梱部品が思いの外にショボいので音質に影響しそうなコンデンサ類を手持ちのオーディオ向け部品に交換しました。
 入力のカップリングコンデンサがどう見てもオーディオ用と思えないセラミックコンデンサだったのでMTFへ変更。電源のデカップリングコンデンサを付属の一般電解コンデンサからOS-CON 100µF/16Vへ変更して組み上げました。
 電源オン時のMUTEをかける回路に使われている抵抗47kΩ・電解コンデンサ10µF/25Vは音質と関係ありませんので付属部品の汎用品のまま実装。電源逆接続防止のダイオードRL207も同梱品で実装です。ダイオードの最大定格が2Aですので12V2Aで24Wが最大定格になるのでしょう。
 基板上の回路定数はデータシートと同じでした。入力のハイパスフィルタのコンデンサは0.22µF、内部の入力抵抗は30kΩ(typ.)ですのでこの定数でのカットオフ周波数は約24Hzです。\[ f_{c}=\frac{1}{2{\pi}CR}=\frac{1}{2{\pi}\cdot{0.22\times{10^{-6}\cdot30\times{10^3}}}} \fallingdotseq 24.11\mathrm{(Hz)} \] 低域に少し心もとない気がしたましたのでコンデンサを0.33µFへ大きくし、カットオフ周波数を約16Hzまで低くして実装しました。
 あとは電源周りと筐体・端子類です。

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