それは違うと思う

 押しも押されぬ名著、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」について。

週刊少年ジャンプ2009年9号の掲載扉絵
 週刊少年ジャンプ2009年9号の掲載扉絵

 なぜか家に転がっていたジャンプをなにげに広げ、「こち亀」の扉絵をみていると大阪ネタのようなのです。本編とは全く関係ないのですが。
 普通、雑誌などの掲載で突っ込みを入れる事は、後出しゃんけんのような気がして、ほぼ無いのですが、ちょっとあまりにも有名どころの方の間違いにしては初歩的すぎるため、あえて取り上げました。
 さて、この春とレイの扉なのですが、服装はまあ、趣味の世界なので何も言うべき事はありませんが、まわりの小物や解説に反応してしまったのです。ショッピングエリアも微妙。オシャレさを演出するために堀江のオレンジストリートだったりとか(南堀江とした方がベター)、たべ物ポイントが「安い」だけだったりとか…。大阪人たるもの、「うまくて安い」がデフォルトです。安いだけではそれほどポイントが高くないのです。
 携帯の充電器、自作との事ですが、単三2本ですので昇圧回路が必要です。自作するより買った方がはるかに安くつきます。セコさを前面に押し出したいのでしょうが、100円ショップで購入、電池はエネループで、ぐらいがんばってほしいものです。
 特に指摘したいのは左下のイコカ(ICOCA)。
 JR西日本の京阪神を中心とした都市部で導入された非接触型ICカードの乗車券(定期も)なのですが、どうも区間がおかしい。

ICOCAのアップ
 ICOCAのアップ
 区間が日本橋〜新今宮である

 日本橋の駅が地下鉄なのか近鉄なのかという判断をしなければなりませんが、近鉄日本橋駅から新今宮に向かう経路が複雑で遠回り過ぎて実用的には程遠いのでこちらは除外し、始点はJR新今宮とし終点は大阪地下鉄の堺筋線にある日本橋と仮定します。
 まずこの区間で定期を作る意味が全くわかりません。
 特に大阪人ならこんな定期を作る意味が無いのがすぐ判るはずです。
 加えてカード自体ですがICOCAのロゴも最後のAに目玉がありませんし、通用期間の年号表記は当時はまだ和暦だったのですが09年の西暦表記ですし、そもそも表記内容はICOCAのロゴにかぶって印字されますのでこんなにはっきりとICOCAの文字が見えないなど突っ込みどころ満載なのです。
 日本橋(にっぽんばし)は大阪地下鉄千日前線と堺筋線の駅、新今宮はJR環状線の駅。どう考えてもそんな経路で定期を作る必要と言うかそんな経路で列車に乗るのはあまりにも無理な設定です。
 日本橋駅から電気街に行くのに無理に列車に乗ったとしても堺筋線で恵比須町までの1駅1区です。新今宮から乗車して地下鉄日本橋に行く経路を無理に考えたとしても以下の経路が最短ですが、かなり無理があります。そもそもICOCAで地下鉄とJR西日本との相互乗り入れ定期がありません。

JR新今宮→
JR天王寺〜地下鉄天王寺で御堂筋線に乗り換え→
御堂筋線動物園前で堺筋線に乗り換え→
恵比須町を通り過ぎて日本橋下車

 まず、こんな経路はありえません。そもそも、JR新今宮の駅のすぐそばに動物園前駅へおりる入り口があり、わざわざ地下鉄に乗るために天王寺へ出る事はありません。
 JR新今宮から日本橋の電気街まで距離的にも自転車か徒歩で十分行ける距離です。
 大阪、電気街ときて、「日本橋」という単語を使いたかったのかもしれませんが、ちょっとあまりにも設定がお粗末すぎます。細かいところにこだわりがある作者という定評があるだけに大変残念です。ご多忙な事もあり、大阪に実際に取材をされているとは思えませんので、仕方の無い事なのでしょうが、あまり大阪をご存じないのでは、と思ってしまいます。JR西日本のサイトをみればすぐわかることが多いのですが。
 言ってみれば地方から見た大阪のイメージがこんなものなのか…と感じます。

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