サイバネティクス

 生命体と融合すればサイボーグ。

サイバネティクス
 ウィーナー著 岩波文庫 青948-1
 サイバネティックス
 動物と機械における制御と通信
 池原止戈夫・彌永昌吉・室賀三郎・戸田 巌 訳
 2023年7月14日第2版13刷
 ISBN978-4-00-339481-6

 久々にまともにボリュームのある本を読みました。
 原著の初版は1948年。それから13年後に出た第2版を元に日本語訳したのがこの本。
 副題にある通り制御と通信で対象が動物と機械、さらには社会にまでまたがっています。ですのでSFもののサイボーグみたいな内容を期待すると面食らうのは間違い無いと思います。観念・概念的な主題で読み物的な章もありますが、全体的には数学を用いた理論展開が行われてページ全面が数式の羅列となるほどのガッツリ理論系の内容構成になってい流ので心してかからないと挫折しそうになるかもしれません。
 氏によって『サイバネティックス(cybernetics)』という学問分野が創設されたのは間違いありません。非常に哲学的な部分から通信・制御の理論構築、それら多岐にわたる分野を統合し解析し理論立てるという偉業を成した言い切ってよいでしょう。
 
 余談ですがこの情報と制御と通信という技術を鉄道に適用することを目的とした団体『鉄道サイバネティクス協議会』があります。磁気切符による自動改札の規格制定などが有名ではないかと。さらに後続ではICカード乗車券の規格制定も行なっています。
 鉄道を中心としそれに関連する交通・通信全般の進歩発展に寄与するという事業目的を果たしていると言えるのではないでしょうか。

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