ナス科

 和名セイヨウハシリドコロ。

ベラドンナ
 ベラドンナ

 イタリア語で「美しい貴婦人」という意味の植物。
 葉の汁を点眼すると瞳孔が開き(散瞳)して目がぱっちりする作用があり中世ヨーロッパでは女性が使用していました。主にアトロピンやスコポラミンを成分として含み、生薬としてもロートコンの名前で利用されていますが、基本的に毒物であり、ベラドンナは有毒植物に分類されています。アトロピンの推定傾向致死量や約100mgとされています。
 アトロピンの作用はアセチルコリン受容体を競合的に阻害します。結果、副交感神経の作用抑制を行う事で交感神経の活動が優位になるため、胃腸などの運動抑制、胃液など粘膜系分泌物の抑制、迷走神経性の徐脈防止などのほか麻酔の前投与にも使用されます。有機リン系化合物のサリンなどの中毒時に有効で地下鉄サリン事件でも使用されています。
 ベラドンナ自体は野草として自生していて、その成熟果実が紫黒色のためブルーベリーに似ていることから誤食して事故になる事例もあるため注意が必要です。

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