オーディオキット製作体験会

 連休週末、天気がよくてツーリング日和なんですが。

製作会会場
 製作会会場
 共立電子産業本社 1Fセミナー室

会場の様子
 会場の様子

 大型連休中にもかかわらず盛況で、初回参加の方も両日いらっしゃいました。
 最近の人気のキットを製作される方が多いのは、やはり皆さん新しいものに目敏いというか、しっかりチェックしているというか、製作意欲が高いです。

バランス出力ポータブルヘッドホンアンプ
 バランス出力ポータブルヘッドホンアンプ その1

 発売直後から人気の、平衡出力のヘッドホン駆動用ヘッドホンアンプ(MUSES8920_BAL)を作られる方が多くなりました。

バランス出力ポータブルヘッドホンアンプ
 バランス出力ポータブルヘッドホンアンプ その2

 また、今回は筐体を塗装して仕上げている参加者の方がいらっしゃいました。オレンジとホワイトという組み合わせで斬新なカラーリングです。塗装の仕上げも美しく、かなりカッコイイ仕上がりとなっています。

内部配線
 内部配線

 この作例では銀ワイヤを使っています。豪華です、高価です、拘りです。
 元々のキットの状態でもすでにデジットの拘りがあり、出力のヘッドホン駆動のオペアンプに出力電流が取れることもありますが、オーディオ向けのJ-FET入力オペアンプであるMUSES8920が片チャンネルに1つづつ使用されています。
 また電源でカップリングコンデンサはすべて導電性高分子アルミニウム固体電解コンデンサであるニチコンのLFシリーズに、出力基板のパスコンを高信頼品であるX7L特性の15μFに変更と、高価な部品が満載。
 今回はトラブルでの持ち込みでスタッフの方のマン・ツー・マン対応で無事、正常動作の状態でお持帰りいただいたようです。

USB_DOUT2706kit + OP_AMP_30
 USB_DOUT2706kit + OP_AMP_30

 USBオーディオの入門向けとなりつつある、USB DACとオペアンプの増幅回路によるヘッドホンアンプの組み合わせです。
 付属のオペアンプがTL072なのですが、他のオペアンプに取り替えて遊ぶ楽しみもあり、入門キットには最適なのではないでしょうか。

ディスクリートヘッドホンアンプ
 ディスクリートヘッドホンアンプ
 驚異の空中配線!

 トランジスタによるディスクリートヘッドホンアンプです。電源が外付けで、この大きさに押し込めるために空中配線の嵐になっています。基本はエミッタフォロワの回路で、クラシック等のアコースティック向けの艶のある音を出していました。

LM380電流帰還パワーアンプ
 LM380電流帰還パワーアンプ

 モノリシックオーディオパワーアンプとしてはかなり枯れたデバイスであるLM380を使った電流帰還アンプ
 15V2Aの大容量電源と山のようなコンデンサで電源強化し、使っているデバイスはLM380のみというシンプルかつ大胆な回路。最大実効出力2.5W(放熱等の条件によるが)を出せますが、普通に聴いている音量ではほぼ熱くなることも無くスピーカーを鳴らしています。
 例によって、訳ありケースのレール部分を上下とも使ったみっちり濃縮実装です。ただし、今回はほぼ電源で占められていますが。

 今月のオマケ

萌えアンプ基板
 萌えアンプ基板

 いや、燃えアンプ基板です。TPA6120A2を使用した高音質ハイエンドステレオヘッドホンアンプで、BTL出力化し片chでこの基板を1枚使う贅沢仕様な構成でヘッドホンアンプを運用していらっしゃったのですが、音が出なくなって修理にお越しになったとのこと。
 正負電源の+側のみがトラブルなので始めは電源が悪いのかと思い、3端子レギュレータを交換してもダメ。オープン状態では正常動作なので、どれかの基板が悪さをしていると予想して、1つづつ電源を入れると1つのアンプ基板でトラブルが再現しました。基板を取出してみて見ると、TPA6120A2の周囲がこんがり良い色に焼け上がっています。
 どうやら基板上でトラブルが発生していたようです。
 デバイス自体はアウトかもしれませんが、原因となったのは周囲のコンデンサの1つが内部でショートしていたためのようです。電源のデカップリングコンデンサが片側(多分+側)が内部ショートし、片電源状態になってデバイスに過大な負荷がかかってしまったようです。
 基板の再製作も含めて無事修理完了でお持帰りいただいたようです。

真空管USB DAC
 真空管USB DAC

 USBのバスパワーで稼働するDAC。しかも真空管が使われています。
 バスパワー機器の場合、消費電流の上限は500mAです。このUSB DACではさすがに真空管のヒーター電源や、プレート電源およびグリッド電圧生成用の昇圧DC-DCコンバータなどでかなりの消費電流があり、ぎりぎりの480mAぐらいだとか。
 USB I/FおよびDACはCM102-Aなのですが、その出力バッファに真空管を使うというデジタルと究極のアナログハイブリッド。
 使われている部品はジャンクやら死蔵部品やらなんやらがたくさんありすぎて全方位突っ込みどころ満載です。

USB 電流モニタ
 USB 電流モニタ

 最近キットや製品等でも見かける、USBの出力電流をモニタする機器の自作版。
 ジャンクなLCD表示器を使っていたり、その反面、Harris(現intersil)の低電圧Rail to RailオペアンプであるICL 7612(高価)を使ってあったりしています。
 制御はAVR mega168を使っていて、このユニットの電源そのものはUSBからではなく、搭載のリチウムコイン電池で稼働します。
 コンパクトにまとめあげられていますし、内部回路もしっかりしているのですが、全体的に漂うジャンク感がいい味をだしています。
 両日とも良い天候に恵まれて、完全なツーリング日和だったのですが、部屋にこもって黙々と作業という、思い返せばなんと悲しい状況だったのか。なんて思ってしまいますが、会場は和気藹々とした雰囲気でゆっくりと時間が流れており、ツーリングとは別の楽しい時間を過ごさせて頂きました。
 例によって会場の設営や清掃等、お世話になりっ放しです。改めてこの場を借りてお礼申し上げます。

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