UNIXの道

日本のUNIXの開祖である石田晴久氏が3月にお亡くなりになっておられました。
季刊 UNIX magazine
 株式会社アスキー発行 季刊 UNIX magazine (最終号)
 2009年7月号(第24巻 第3号 通巻247号)
 総力特集 それぞれのアーキテクチャから見る展望 UNIXの未来

 残念な事に「UNIX magazine」として発刊は、この号で最終号となってしまいました。
 次号からは「NETWORK magazine」と統合され「ASCII.technologies」として新装刊され、引き継がれる事になったそうです。UNIX専門誌として高度な記事を掲載し続けた雑誌が1つ無くなってしまいました。
 さて、最終号の特集ですが、いつものごとく相当数のページを割いています。
 ・UNIXとCとネットワーク
 ・2010年ーPowerとAIX
 ・HP-UXが目指す次世代コンピューティング
 ・OpenSolarisの未来と革新されたユーザビリティ
 ・コミュニティが作るLinuxの未来
 ・BSDが培ったもの、BSDが築くもの
 ・アップルが考えるMac OS Xの未来
と、まあ、てんこ盛りな内容です。
 で、気になるMac OS X 10.6となるSnow Leopardについての記事から拾い読みすると、まずマルチコアの対応が進んでいるとの事。従来のMac OS XはMachをベースとしていたNeXT OSから、色濃くBSDの系統のOSであると言えます。しかしながら、並列処理性がどうももう一つといった感じが否めませんでしたが、Grand Centralと呼ばれる機構でかなり並列処理性が高まるようです。
 また、GPUをCPUがやっている演算処理に振り向けて性能を上げる事ができるOpenCLの搭載が決まっているようです。
 今回のSnow Leopardでは、メモリなどの使用リソースの低減やパフォーマンスの向上と行った地道な部分でかなりの改善を施したようです。
 だいたい、Mac OS Xはバージョンが上がるごとにパフォーマンスが改善されてゆくという不思議なOSですので、今回はその部分を強力に推し進めたのではないかと思います。
 その他、冒頭にも掲げました石田晴久氏の追悼記事、OracleによるSun Microsystemsの買収による今後の予想、前号からの続き記事であるブレードサーバによる仮想化の実際(アスキー・メディアワークスのサーバ事情)など目を惹く記事が多くあります。
 今後の編集方針などがどのようになるのかは判りませんが、このような「読み応えのある濃い記事」が掲載され続ける事を期待します。
 処分されてしまい、手元にない号もありますが、創刊して3年ほどしてから購読開始をした雑誌が休刊となり新装されるのは感慨深いものがあります。気に入って読んでいた技術系雑誌としては先に休刊してしまった共立出版の「bit」に次いで楽しみにしていた雑誌なのですが。
 ASCII.technologiesが今後どのような展開を見せてくれるか見守りたいと思います。

2件のコメント

  1. 石田晴久氏の逝去。いや、ほんとにびっくりです。
    私もbitは家のどこかに積んであるはず。
    bitは凸印刷からDTPに変わる時も見ていましたので余計に思いいれがあります。

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