いけず

 大阪人は「いちびり」であり「いけず」なのです。
 「いちびり」は調子に乗ってはしゃいだりふざけたりする事、「いけず」はいじわる、こんじょわるの意味です。
 全国に先駆けて鉄道の自動改札機を実用導入した大阪。阪急電鉄の北千里駅で導入したのが始まりですが、当時から大阪人気質を予想していたのか、現在はこんなことまで対応しています。
 切符を自動改札に裏向けに入れるとどうなるでしょうか?

裏向けに投入
 裏向けに投入してみる

 多分、大阪圏の自動改札は全て対応していると思いますが、ちゃんと裏返って表面が見えるように出てくるのです。中でひっくり返しているんですね。首都圏よりも先にこの裏返し機構は対応していたはずです。

ちゃんと表向きに
 ちゃんと表向きに出てくる
 右端によっているのは切符のための読取ヘッドが右側にあるためである
 定期券などはちゃんと真ん中で出てくるようになっている

 自動改札の機能としては、ちゃんと切符(磁気化券)のデータを読んでくれれば良いだけですので、どちらに投入されても表裏両方が読み出せるように読み出しヘッドを2組つければOKなわけです。一つ前の世代の改札機では裏表両面に対して読み取りヘッドがついており、どちらに投入しても処理して、そのままの向きで出てきます。
 そこをわざわざ裏返して出してくるかどうか、わざわざ確認するという回数が多いのは絶対大阪人の方が多いはずです(実際、私は必ず裏向けに投入するひねくれ者である)。定期券も同一の改札機の投入口から入るため、投入口の幅は実際は切符の幅よりかなり広く、切符を真横に向けて切符を入れても内部で向きを縦に直してちゃんとでてくるのです。
 大阪人の歩く速さは全国一速いとかいうのは良く言われますが、大阪圏の改札機の切符通過速度もこの早足にあわせて早く対応できるようになっているそうです。もっとも私のように裏返しに入れると、なかで裏返しにする機構を通過するため、普通の人がするように表向きに入れるより少し時間がかかるとの事。磁気化定期券も切符と同様にちゃんと裏返して出てきます。
 裏返しにする事で読み出しヘッドも1組ですむため改札機のコストが下げることができるそうです。へぇ。
 みなさん、バンバン裏向けに入れて改札機の改良をしてもらいましょう(笑)!

[参考資料]
 椎橋章夫著 成山堂書店刊 平成17年3月20日改訂版発行
 自動改札のひみつ(改訂版)
 牧村史陽編 講談社学術文庫 大阪ことば事典第13刷
 イケズ(名)およびイチビリ(名)の項参照

8件のコメント

  1.  お褒めに預かり(?)恐縮です。
     いくらナイロンザイルの神経と言われようが、毛が生えた心臓と言われようが、これはさすがに恥ずかしかった。さらに、駅員に不審な行動を咎められて呼び止められたらどうしようかとドキドキしました。あまり心臓に良くないです。
     撮影は改札を通る人が引けた所を狙って、携帯電話で撮影しました。カメラで撮影するとさすがに怪しい。イヤ、携帯で撮影していても十分怪しいですね。

  2. 新幹線の自動改札は、改札機が長いんですよね。きっと人の歩く早さに
    追いつくために長くしているのではないかと勘繰っています。
    もうじき切符も無くなってみんなケータイでPi!とやるようになるんでしょうか。

  3. 初めて自動改札に出会った時に私もやりました。(^^;
    私の場合は斜めや横に入れる技(?)も試してちゃんと出てくるのを確認して、すごい技術が詰まっている・・・と関心した事を覚えています。
    切符はどんな形で入っても、中で回転させられて正しい向きになるようです。
    suicaも入手した頃ちょっと離したり、縦に接触させたりと色々確認しました。(^^;
    最初の頃に比べて最近は認識が甘いような気がします。

  4.  ど~も、立ち話さん。
     新幹線は2枚の切符(新幹線特急券と乗車券)を処理するため、長いそうです。
     いちおう新幹線の改札機も中に反転機構があるそうですので、2枚の券を表・裏とバラバラに入れてもちゃんと処理するようにできているとの事。へぇ、でした。
     携帯電話がどんどんPDAと化してきて、紛失したときのダメージが大きくなりつつあるのは心配しています。

  5.  Karuishiさん、コメントいただきありがとうございます。
     投入口の直後で整列部があり、投入された切符類を回転させて整列し正しい向きに直してから処理部に流すようです。
     上下左右各裏表を含めると8パターンの投入状況に対応しているそうです。そう、裏表関係なく横も縦も関係なく、どの方向に入れてもちゃんと処理するようにできているそうです。すごいですよね。
     関西ではICOCAやPiTaPa、関東ではsuicaなどの非接触乗車券の利用が多くなったことから磁気化券の処理はだんだんと重点を置いていないのかもしれません。どんどん変な方向に入れて改札機を鍛えましょう(笑)。
     非接触の乗車・定期券ですが、開発当初はカードを立てて認識する仕様だったようです。その仕様で実用化してしまっていたとしたら、定期券を今のように寝かせて押し付けるのではなく、立てて認識させなければならなかったことになります。ちょと、これだといやですねぇ。

  6. いつのころだったかもう忘れましたが,札幌で JARL 総会が合ったときかな,地下鉄で切符を入れてでようとしたら,阻止されました。駅員に言うと「矢印の方向に入れてください」だと。裏向けどころかというので,びっくりしたことがありました。
    いつのころからか,関西では裏向けに入れてもちゃんとひっくり返って出てくるようになったので,感心しました。

  7. このような「いけず」をする人が多く、駅員を走らせる手間を減らすために対応したのではないかと思います。
    切符の前後横向それぞれで裏表を含む8方向のどの方向に入れても処理してくれるそうです。
    便利になったというかユーザーフレンドリーというか関西人対策というか(笑)。

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