JR貨物フェスティバル 2016 (その2)

 展示していた鉄分たっぷりの車両類。いろいろと事情ありのものも。
EF66 1/EF66 24
 EF66 1EF66 24
 EF66形電気機関車が国鉄色になって2両並んで展示されています。EF66 1は保存車両が決定しているのですが隣にあるEF66 24は昨年に廃車のため吹田から広島車両所に入場しており、外装の痛みも目立った状態。この一般公開が最後の晴れ舞台となり解体されるのではないかと思います。
EF67 1(下関側)
 EF67 1(下関側)
EF67 1(東京側)
 EF67 1(東京側)
 デッキ付きEF67の1号機。広島車両所にて保存されている車両で元の車両はEF60 104から改造されたものです。車体色は広島車両所の赤11号、通称もみじ色です。一般公開向けの特別なヘッドマークにあるように2002年に八本松駅での補助機関者の走行開放が廃止となりEF87は次々と運用から外れていきました。
 通常は屋外留置なのか、かなり汚れと痛みが目立ってきました。一般公開まえにせめて洗車ぐらいした方がよいのではないかと。
EF65 2139
 EF65 2139
 JR貨物の自動空気ブレーキ系の常用減圧促進改造が行われた車両である事を区別するためナンバープレートが赤地になっています。2015年4月に国鉄特急色への復元を行い全検されたものです。
EF59 21(東京側)
 EF59 21(東京側)
EF59 21(下関側)
 EF59 21(下関側)
 先のEF67の先輩車両であるEF59形電気機関車。広島車両所にて保存車両として留置されています。
 この車両はEF56 2を改造した車両で、EF59 20-24号機のうち最後まで瀬野八で運用していた車両です。EF59はこの他に広島車両所内でカットモデルとしてEF59 16が常設されています。
EF500-901
 EF500-901
 ぶっ飛び機関車EF500形の試作車両。
 実運用に投入される事無くそのまま廃車となった後、ずっと広島車両所にて保存留置されていますが、いつ解体されるかヒヤヒヤしながらも今年も展示車両として異色機関車の存在感を振りまいていました。いつも車両の奥側が見えない場所で展示されているのですが、奥側の連結器が壊れているのが要因のようです。
EF210-114
 EF210-114(検査中)
EF210-150
 EF210-150
 EF210形電気機関車、ECO-POWER桃太郎の愛称で運用されている車両です。100番台の後期型で整流素子がGTO素子からIGBT素子に、インバータによるモーター制御が1対1の1C1M形に前期型から変更されています。
EF66 114
 EF66 114
EF66 116
 EF66 116
 EF66形電気機関車の100番台車両(2次車)が、どちらも検査中車両として展示されていました。EF66 116は外装の補修および内部の電装品なども含めて全てが外されているので全検中のようです。
DE10 1517・DD51 759
 DE10 1517・DD51 759
 整備場屋内に2種類のディーゼル機関車が展示されていたDE10形1517号機とDD51形759号機です。
 DD51 759は2012年3月にすでに廃車されていますし、DE10 1517も2015年5月に岡山機関区に転籍の後、一時的に入換えで使っていたようですが、2016年3月ごろから廃車の留置線においてあったようですのでどちらも解体待ちと言う状態でしょうか。
DE10 1561
DE10 1561
 DE10 1561
外された外装及び艤装品たち
 外された外装及び艤装品たち
 全検中でナンバープレートも外されていますが、会場案内によりますと1561号機とのこと。ここまで解体された状態な車両を見る事はほとんどありません。ボンネットを兼ねたラジエーターや装備品のほとんどが取り外されて、ほぼフレーム状態。
HD300-21
 HD300-21
 今回の目玉でもあり、最新の機関車であるHD300形ハイブリッドディーゼル機関車。老朽化の進んだ入替用ディーゼル機関車のDE10の後継として導入されます。
 ディーゼルエンジンで発電し、搭載するリチウムイオン電池(GSユアサ製)へ充電し、その蓄電池からの電力でインバーター制御によるモーター駆動を行うシリーズハイブリッド形式で、日本貨物鉄道と東芝の共同開発した電気機関車です(国土交通省の鉄道技術開発費の補助を受けている)。
 型式名には蓄電池機関車の「A」やディーゼル機関車の「D」ではなく、ハイブリッドを示す「H」と動輪数4を示す「D」の組み合わせが採用されました。
 1時間定格320kW(最大踏面出力500kW)、整備重量60t、力行時最大速度は45km/hです。
 ディーゼルエンジンは産業用水冷直列6気筒270馬力のエンジンを採用し、蓄電装置の容量低下や放電能力不足のアシスト時に起動して、最大効率で動作する1600rpmの定速度回転を行います。蓄電装置の異常によりエンジンと搭載発電機FDMF9Z形三相かご形誘導発電機(173kVA)だけでも自走することができ、その場合でも踏面出力114kWを確保。
 搭載のFMT101モーターは1時間定格80kW(最大定格125kW)の永久磁石同期電動機(PSPM:Permanent Magnet Shynchronous Motor)の高効率モーターで、1インバータ1モーターの1C1M形式。主変換装置はIGBT素子を使用したPWMコンバータとPWMインバータにより構成され、ブレーキ時は回生ブレーキにより発電した電力で蓄電池の充電を行い、さらなるエネルギー効率のアップも図っています。
 また、前後部には運転台からの死角をカバーするために手すり部分にカメラが搭載され(白いカバーの内側にある)運転台からも前後方を確認できるようになっています。
HD300側面
 HD300側面
 HD300形はモジュラーな設計となっており、全部で4つのモジュールから構成されています。
 写真右側から、主変換モジュール、蓄電モジュール、運転室モジュール、発電モジュールとなっており、それぞれのモジュール単位での取り外しが可能。
 これは設計の自由度を高めるために採用された方式であり、今後、電池技術の発達によりさらに高性能な蓄電装置が開発されたり、燃料電池を採用するなどした場合、艤装に大幅な変更を加える事無く容易に入替を行う事ができるようになっています。
 現行の蓄電モジュール(40-70kWh)はさらに70%容量アップできるようにまだ空間的余裕があり、リチウムイオンに替わってNiH電池での搭載も可能な空間を確保しています。
スイッチャー(DB25 7)
 スイッチャー(DB25 7)
 外れの方に展示されているスイッチャーのディーゼル機関車DB25。広島車両所オリジナルのEF210もどき塗装です。
コキ104形 2406
 コキ104形 2406
試運転の札
 試運転の札
配車の札
 配車の札
 コキ10000系などの従来車の置き換えとして製作されたコンテナ貨物車両。コキ100系と異なり4両単位ではなく1両で単位で運用できることもありコキ100系のなかでも一番製作台数の多い車両となりました。全検後のようで試運転の札と出場日付がマスクされた状態。この後の10月27日に新南陽駅にて配6867レで移動するようです。
EF59 16(カットモデル)
 EF59 16(カットモデル)
EF61 4(カットモデル)
 EF61 4(カットモデル)
D52 1(静態展示)
 D52 1(静態展示)
ワム8000形
 ワム8000形
 どれも常設されている車両達。D52 1はさすがにきれいに保存されていますが、その他のカットモデルや有蓋貨物車のワムなどはかなり痛みが目立ちます。
 今年はあいにくの雨で、ゆっくり見て回る気分ではありませんでしたので、かなり駆け足で見て回りました(運転台見学を除く)。
 撮影に来ていた鉄道ファン(あえて撮り鉄とは言いません)の一眼レフデジカメ率が異常に高かったのが印象的でした。私のようにコンパクトデジカメというは少数派で、お手軽な撮影はスマートフォンがほとんど。加えて子供連れの親御さんたちもどういうわけか一眼レフデジカメ多数。これが噂の「子供につきあって逆に親がハマった」パターンなのかと関心ひとしきりさせていただきました。物販にはほぼ近づかなかったため、おおむねどのブースもゆっくり見て回ることができました。
 次回はもうすこし余裕のある予定組みと良い天候に恵まれる事を期待したいと思います。

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