チューリップ

花壇に咲くやつではなく、遊技台に咲く方です。
台のチューリップ
台のチューリップ
パチンコの発祥は名古屋(らしい)ですが、そのパチンコ台を大きく進化させた「チューリップ」は大阪人である鳴尾辰三による発明品だったのです。当時連発機の規制などにより客が離れていきつつある状況でなんとか取り戻せないかというパチンコ店の知人からの依頼で考案したそうです。
それまでのパチンコの入賞穴は単なるポケットだったのですが、チューリップの開いて閉じる仕掛けで劇的に変わり、昭和41年に登場したチューリップ搭載機により業界は一気に盛り返したということです。
ただし、鳴尾氏の初めに考案したチューリップは入賞後開いたチューリップは玉が入らなくても自動で閉じてしまう仕掛けだったようですが(実用新案第577757号)。
このチューリップの特許は多くある発明家の傾向を示す例として見えてしまいます。というのも、発明できても実用化したり商売したりするのが鳴尾氏も巧くなかったようで、この実用新案そのものを人手に渡してしまった事から、彼の名前がパチンコ史の中を含めて表にあまり出て来ない理由の一つです。
同じように大阪人で奇抜なアイデア(二股ソケット)で財を成した松下幸之助とは大変対照的と言わざるを得ません。
[参考文献]
扶桑社刊 前垣和義・先前 仁 編著
大阪の大疑問
平成10年6月15日発行

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