32bit DACへステップアップ。
PCM1795 DAC基板
音源に32bitのハイレゾ音源が無いので意味がないと思いつつ、やはりハイエンドのデバイスは気になるもので電流出力型32bit DACであるPCM1795のユニットの製作を開始しました。回路や定数は基本的にデータシート記載の測定回路に準じています。後段のI/V変換に使用するOPAMPには今まで通りNJM5532DDを採用しますが、平衡・不平衡変換はNJM5532DDの上位の高帯域・低ノイズバージョンNJM2122D(1.5nV/√Hz)を使用してみようと思います。
今回はデバイスを先行して入手していたのでDAC基板の製作から着手しました。
PCM1792とピンコンパチブルなため基板の製作はそちらを見ながら倣えばよかったので配線に悩む事なく、かなり楽チンに製作できました。先の失敗から平衡電流出力コネクタにはGNDを追加しています。
PCM1795はPCM1792のピンコンパチブルなだけでなくモード互換でもあるため、PCM1792向けに開発したソフトウェアはそのまま流用できるのもメリットの一つです。
PCM1792とPC1795のスペックの差をまとめてみました。
項目 | PCM1792 | PCM1795 |
解像度 | 24bit | 32bit |
ダイナミックレンジ(2Vrms) | 127 dB | 123 dB |
THD+N | 0.0004% | 0.0005% |
平衡出力電流 | 7.8 mA | 3.9 mA |
Stop-Band Attenuation | -130 dB | -98 dB |
Passband Ripple | ±0.000001 dB | ±0.0002 dB |
PCM1792は7.8mAp-pと高出力でしたがPCM1795は3.9mAp-pと半分の出力です。ただしPCM1795もモノラルモードがあるので左右別々のデバイスに分けて出力する事でダイナミックレンジが改善される点は同じです。
ダイナミックレンジは123dBとPCM1792に比べると見劣りしますが、全高調波歪み率+雑音(THD+N)はPCM1792が0.0004%に対しPCM1795は0.0005%でほとんど同じと優秀です。この辺りはベースが32bitの強みでしょう。
引き続き後段の回路や電源を製作して行きます。