ディレイ

 先日のオーディオキット製作体験会で製作。

謹製「ディレイ」
 謹製「ディレイ」
 ケースはTAKACHI TD 9-12-4

 デジット主催のオーディオキット製作会でまとまった時間を利用して製作。
 死蔵状態だったので、やっと陽の目を見る事になりました。とはいえ、キットはボード部分だけですので、その他のケース、ジャック、つまみやボリュームなどは自宅在庫品を最大限活用して製作に臨みました(もっとも購入先はデジットやシリコンハウスです)。
 やっぱり面倒なのがケース加工です。寸法出しとポンチ打ちに穴あけ。ドリルは会場に用意して頂いていた段付きドリルを使うため、3φの下穴をそれぞれに開けてから段付きドリルで必要なサイズまで広げてやります。いやあ、電動工具ってすばらしいですね。ハンドリーマーでごしごしやっているのを考えると、一瞬で目的サイズの穴が開きます。

ケース内(配線のみ)
 ケース内(配線のみ)

ケース内(基板実装)
 ケース内(基板実装)

 ケースに部品を実装してから内部配線にかかります。エフェクターの作成の時間配分を考えると、プリント基板で製作する場合は基板1/4、ケース1/4、残り1/2が筐体内配線といったところでしょうか。プリント基板ではなくユニバーサル基板で製作するとたぶん、基板1/2位のウェイトになります。
 配線はすべてBELDEN 8503の撚り線で行います。
 コネクタで基板に接続しますので、コネクタのオスはコンタクトピンをせっせとカシメてプラグに挿入というのを延々繰り返します。この製作の場合は全部で15ピンもバレルタイプのコンタクトピンをカシメて線材を圧接する訳で、もう、内職とほとんど同じ…。
 コネクタを使わずに基板に直接配線してしまうと基板の取り外しや配線中の他の配線が邪魔になり、うっかり被覆を半田ごてで溶かしてしまう事もあり得ます。配線材のBELDEN 8503は被覆が通常の塩化ビニルなので熱に弱く、すぐに溶けてしまって線材が露出する可能性が高く、ここは面倒でもコネクターを使って配線する方が便利ですし安全です。
 もちろん、製作後に基板を改造するなどという悪行(笑)をする場合は尚更で、カンタンに基板が外せないと泣きを見ます。
 今回のメインとなるデバイスであるPT2399ですが、ディレイ関連のデバイスがあまりどこも取扱が無く、キットもなかなかの売れ行きとか。tonepadのサイトfx projectの作例中にRebote Delay製作例にPT2399を使用してあることからデバイス単体で買いにくるお客さんも居そうです。
 PT2399はA/DおよびD/Aコンバータを内蔵。内部に44kbitのメモリをもっており、クロック速度を内蔵VCOを利用して変更する事で遅延時間を変更するという、やや強引な遅延時間調整法を採用しています。VCOに加える電圧を周期的に変化させるとコーラスエコーみたいな事も出来そうですね。
 製作体験会で完成した段階でギターを持参だった方に試奏してもらいました。なかなか良いとの事。これで知人に引き渡して楽しんでもらうのに自信がつきました。ディレイタイムを調整しないと、エコーバックしている音で自分が何を弾いているのか解らなくなるのが難点かも。
 筐体内、基板の幅サイズ問題以外は全てのパーツが収まりそうですので、もう一台、1590Bで製作して手元に置いておこうと思います。基板ゴリゴリと削らないとダメですけど。

8件のコメント

  1. エレキをよく弾いていた80年代には考えられないキットですね。
    あの当時はコンパクトエフェクターの中でもディレイは一桁値段が違ってました。しかもアナログでデジタルなんてプロユースで高嶺の花。いい時代になった(?)と、しみじみ思います。_φ( ̄ー ̄ )

  2. 安価な遅延素子が入手できるようになり、キットが実現できたのは間違いありません。
    実際BOSS CE-2などで使用されていたBBDなどの遅延素子(MN3007/MN3101)はディスコンでプレミアが付いているせいもありますが、やっぱり価格が違う。高い。しかも自分でユニバーサル基板で組み上げるのはためらう配線量です。
    そんな事を考えると、このディレイキット、かなりお得だと思います。

  3. 実は、このキットを入手済みですが、未だ手つかず(笑)
    ギターのdelay用途ではなく、別の使用目的で入手しました。
    同一音源をアナログで伝送した時とIPなんかで伝送した時に当然遅延が発生しますが、訳あってアナログ伝送側にdelayを入れてIP側と同じ遅延時間を作り、聴感上遅延がないようにしたい…なんて事を考えています。
    けど、PT2399って、入力何dBまで入れれるんやろう?データシートにも何も記載はないし、むむむ。

  4. JI3HJVさんコメントありがとうございます。
    データシートを見るとゲイン-0.5dB(typ.)、出力最大電圧が1.25Vrmsとあります。
    1.77Vp-pあたりが入力最大電圧と見て良いのではないでしょうか。
    スルーでゲイン0dBのデバイスとして考えると1Vp-pあたりが妥当な入力だと思いますがいかがでしょうか。

  5. なんぎさん、コメントありがとうございます。
    最大1.25Vrmsとなると+4dBm位ですね。PA機器の定格に合わせているのでしょうか。0dBでしたら全く問題ないので安心して使えそうです。
    ありがとうございました。

  6. もし分かるいましたら教えて下さい。
    デジットのdelay/PT2399のこのキットを、マイクアンプにつなげて
    人の声にエコーを付けようとしたら、どんな音が出てくるでしょうか?
    下記のようにつなげたら???
    マイク → マイクアンプ → Delay/PT2399 → RCA ピン →
    アンプ → スピーカー
    遊びでも やったことある方、いますか?
    回答よろしくお願いします。
    Nagat16

  7. ディレイはエコーとは微妙に違います。
    ディレイは単純に遅延した音が重なるだけですが、エコーはある程度の遅延の幅のある音が重なって響くような音になります。例えて言えばやまびこはディレイ的(英語ではechoなんですが)、風呂場の残響音はエコー的な音となります。
    ディレイタイムを短くすると残響音のように聞こえますのでエコー的な音響効果やボーカルであれば同じ音でデュエットしているような効果を得る事ができます。
    後段の音響機器への接続は入力信号レベルの規格に依存しますので一概に使い物になるかは明言できませんが、このデバイスの性格上、遅延時間を遅くしようとするとサンプリングレートを落とす事になり音質が劣化しますし、音質を上げようとするとサンプリングレートを上げることになり今度は遅延時間が短くなります。
    用途として想定されている構成で試してみないとご希望の効果が得られるかどうかははっきりとは言い難いと言えます。
    ご参考まで…

  8. なんぎ様
    回答をいただき感謝いたします。
    実験的に作ってみようと思います。
    どんなサウンドになるのか、ワクワクします。
    楽しみです。
    Nagat

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