ChuMoyアンプ

 先日の製作体験会で製作しました。いまさらなChu Moy(CMoy)アンプ。

Chu Moy ヘッドホンアンプ(昇圧回路付)
 Chu Moy ヘッドホンアンプ(昇圧回路付)
 着せ替えシステムなので外観は同じ(苦笑)

 着せ替えヘッドホンアンプに組み込むべく今更な気がしないでもないのですが原点とも言え、オペアンプを取り替えて遊べるのも楽しそうなChu Moyアンプ(Cmoyアンプとも)を製作しました(オリジナル記事はこちら)。筐体は同じなのでパネルプレートで顔を替えているだけなので外観は以前のヘッドホンアンプ(LM4881版74HCU04版)と同じですが…。

Chu Moy アンプ基板
 Chu Moy アンプ基板

 着せ替えヘッドホンアンプは電源がUM-3×2ですのでアルカリ電池で3V、NiH電池なら2.4V程度しかありません。Chu Moyアンプは9Vを想定していますのでこの筐体に組み込むためにはこの電源から昇圧して9V程度の電源を作る必要があります。
 そこでデジット店頭で販売していたTL496C(ディスコン品)とレーススプリッタICであるTLE2426(こちらは現行製品)を使って昇圧と中点電位を作る回路を電源にしてChu Moyアンプを作る事にしました。
 TL496Cは結構古めの固定電圧出力のスイッチングレギュレータICで、外付け部品が少ないのが特長なのですが、理論効率が66%と最新のデバイスに比べ悪いため電池の持ちもかなり悪くなりそうです。ただ、ポータブルにするつもりはないので構わないのですが、ひょっとすると満充電の単三型eneloopで1日持たないかもしれません。そうなると006Pタイプのケースで着せ替えアンプを作るのが手っ取り早そうです。
 オリジナル回路では中点電位は抵抗で分圧してデカップリングのコンデンサーを入れるだけの一般的に使われる簡単な回路なのですが、今回は実力を見てみたい事もあり中点電位を作る専用ICであるレールスプリッタICのTL2426を使いました。実装面積からするとTLE2426はTO-92の方が有利なのですが、ノイズリダクション端子のあるDIPパッケージを選択しました。
 搭載オペアンプはオリジナルを踏襲してOPA2134にしています。
 バイポーラのオペアンプを載せると入力負荷抵抗の100kΩではバイアス電流の方が影響してしまい、ちゃんと動作しなくなる可能性もありますが、NJM4558DD/4580DD/5532DDなどのバイポーラ入力のオペアンプでも動作を確認しています。
 回路定数はオリジナルから変更したのが1ヶ所あります。
 増幅率を決める抵抗が1kΩ/10kΩになっているのを2.2kΩ/10kΩへ変更して増幅率を下げました。11倍の増幅率はソースのレベルによってはちょっと使いにくいと思い、5.5倍程度まで下げました。ただし下げすぎると発振しやすくなりますので下げ過ぎは禁物です。
 実際に聴いてみますとサーっというホワイトノイズがバックグラウンドに聴こえてきます。ボリュームの大小に関係なく一定レベルのようです。元の記事を読んでみると、どうやら低インピーダンスのヘッドフォンを使用すると発生するようで、オペアンプの出力に数十Ωの抵抗を入れると解決するらしいので時間ができたら対処する予定です。
 また、念のためと思いレールスプリッタの手前の部分にコモンモードチョークを実装する場所を空けておいたので、あわせて実装を予定。また、TL496Cで昇圧に使っている47μHインダクタをデジタルアンプ向けのフルシールドのタイプに変更も考えています。
 とりあえず単純すぎる回路なため、オペアンプの特性・挙動がストレートに出てくるのでオペアンプのテストベンチとしても使えそうです。
 余談ですが試しに載せた4558DDが裏切られるくらいの良い音を出していたのは驚きでした。あの家庭用テレビから出てくるようなもっこり音の印象があるデバイスが普通に奇麗な音を出しているのです。バイポーラ向きの回路定数ではないのですが、一度試す価値はありです。


2014/02/28 追記
電源部と入力部に手を入れました。
記事はこちらを参照ください。
2014/10/10 追記
5V昇圧版(低電圧オペアンプ仕様)のChuMoyを製作しました。
記事はこちらを参照してください。

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