濃い薄い

 もちろん醤油の話ですよ!顔つきではありません。

薄口と濃口
 薄口と濃口
 希釈した時のイメージであるが、実際に希釈していない状態でも色の違いがはっきりしている
 醤油とつけずとも「薄口を使う」と言われれば醤油のことを指す

 大阪、京都の料理店では薄口醤油をよく使います。もちろん濃口が使われるべき料理には濃口醤油が使われるのですが、懐石料理や醤油の色をつけたくない料理の場合は殆ど薄口醤油です。
 うどんの味付けに言われる事ですが「関西は塩でごまかして醤油をあんまり使わずケチ臭い」となるのですが、料理の出汁については関西は昆布出汁が基本でそれに鰹を加える事て出汁の基本となりますが、関東では殆ど昆布出汁を用いない場合が多いようです。いわゆる化学調味料を足しているのであれば昆布のうまみを加えてい事に相当するのですがこれは邪道ですね。
 実際の所、薄口醤油の方が総じて塩分濃度は濃口醤油より高い物が多く、塩分を控えるという目的が有る場合は、あまりその意味では薄口醤油は減塩に貢献しない事になります。塩味での薄口・濃口ではないんですね。あくまでも色と風味での話なのでしょう。
 薄口と濃口の製法の差は、大豆の処理を行う際に圧力をかけないとか原料である小麦を炒る際にあまり焦げ目を付けない等ありますが、基本的に濃口も薄口同じ大豆・小麦・麹・塩を原料として造ります。
 色をつけたくないということであれば白醤油という選択肢もあるのでしょうが、大阪の醤油の基本はやはり薄口醤油です。最近は味の全国区化というか大阪の関東化というか(笑)濃口醤油も何品種も並べられていたりして、よく消費されているようです。
 もう過ぎてしまいましたが10月1日は醤油の日だそうです。理由は・・・かなり無理がある気がします。制定したのが2003年と言う事ですので、まあ由来もなにもあったものではありませんから仕方が無い事なのでしょう。

参考サイト
 ヒガシマル醤油株式会社
 他の醤油醸造メーカーもあるが「うすくち」が先頭に並ぶのは元祖のこだわりか

3件のコメント

  1. 薄口は減塩に向いていないとのお話ですが、たしかに料理に同量の醤油をかけるとすればその通りです。
    しかし、それをもって
    「ほら、関東のうどんは醤油が真っ黒で濃くて食えたモンじゃないとか言うけど、関西は薄口とかいっておきながら実際は塩分濃いんじゃんケケケ」
    と、反撃に会うことがあります。実際に何人もの人がそれで言い負かされて撃沈した話を耳にします。
    しかし、ここで言いたい!それは違うと。
    たしかに醤油単体だと薄口のほうが塩分濃度は高いかもしれませんが、
    関西ではダシ(おもに昆布が基本でカツオなどをあわせる)がよく効いているために、入れる醤油の量が少しですむのだと。ダシが効いている分、塩分は総合的に見て少ないのだと。
    関東のは一応カツオダシは使っているのですが、いかんせんダシの効き方が弱く、そのぶん多めに醤油を投入することになっています、多くの場合。
    もちろん醤油自身にもアミノ酸は多く含まれているので、醤油を足すことでうまみは増すのですが、うまみと同時に塩分も濃くなってしまうということです。
    ダシをとる度合いが少なかった信州では高血圧による脳卒中が県民病と言われていましたが、しっかりダシをとることで塩分を減らそう運動のおかげで、日本でも1.2を争う長寿県になりました。
    つまりダシを多くとると、塩分が少なくてもいい塩梅の味になるということです。
    ということは、あの汁まで全部飲み干せるほどええ塩梅のうどんのスープは、ダシの効きが弱い関東のうどんより塩分が少ないということなのです。ま、関東のは飲めませんが。
    なので「薄口醤油のほうが塩分が濃い」という話をするときは、その情報だけでなく補足説明が必要です。
    そうしないと関東勢の反撃にオロオロしてしまいます。
    以上関東に住む関西人の教訓でした。

  2. 今からxx年まえ初めて関西方面へ旅行した時に出た料理の塩分が全然足りなかったのを覚えています。
    「味がしない」と言って醤油を追加して食べた記憶があります。
    今思えばもしかしてあれはしゃぶしゃぶだったのかも?(^^;「肉と鍋の記憶だけはある」
    それを除いても初めての関西は塩分が足りないような料理が多かったと思います。
    それから数年後、東京へ上京した時には塩気を強く感じました。
    私の田舎では脳溢血で逝ってしまう人が多い(かった?)ため減塩醤油が推奨されています。

  3. 俗説ではありますが・・・
    江戸時代になって一般に広まった食べ物に蕎麦があります。中部日本などから安価に仕入れる流通ができた事もあり、二八そば、2割のつなぎでそば粉8割のそばがゴロが良いせいもあり二×八=十六文で夜鷹そばの屋台として広まりました。
    で、その立ち食い系屋台の蕎麦で広まったときに蕎麦よりも汁(つゆ)の出汁に使う鰹節のほうが高くつくということから、醤油をたっぷり入れて味を濃くして消費量を少なくした「らしい」のいです。
    従って漬け汁は少なく、その少ない汁に蕎麦の端っこだけをちょっとつけて食べるのが粋な食べ方だという(上方的にはしみったれというかやせ我慢というか)事になり、その濃口醤油の出汁の味が受け継がれて今に至るという説があります。
    薄口醤油の場合は、その発祥が現在の兵庫県龍野市であることから一大消費地として上方・京都を控えてきたこともあり、好まれたのではないかとも思っています。
    もちろん昆布だしの風味と色を壊さないという点もあったのでしょう。
    対して江戸では東北・北陸からの職人の流入で形成された人工的な都市でしたので、必然的に住んでいる人の郷里の味を引き連れてきたのも大きな要因でしょう。
    薄口であろうと、濃口であろうと、どちらにせよ塩分を多く採りすぎる事は高血圧症などの循環器系疾患を発症しやすくなる原因となりそうなのですが、裏を返せば、高塩分を摂取し続けても問題が何も起こらない体質の人もいるわけで、私的にはそちらのほうの原因を調べてみたいところです。

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