便利小物(#16)

 小物というか工具というか測定具?

マルチファンクションテスター
 マルチファンクションテスター

 筐体に入っていたりディスプレイがカラーだったりと色々バリエーションがあるようですが、ずいぶん以前(2019年)に購入したままで放置していた中華なテスター。お恥ずかしい話ですが最近のトランジスタ技術の記事中に掲載されていて思い出し、引っ張り出してきた次第です。
 これは当時一番お安かった製品で、購入当時はワンコイン+αぐらいだった記憶があります。今ではケース入りのカラーディスプレイの方がお得感がある値段になってしまっていて為替やらなんやらの変動を実感します。
 この製品、基板はむき出しですし、ZIFにどう入れて測定するかの説明も全くありません。当然ですが取扱説明書なんて小洒落たものは付いておらず、現物がポンと到着しました(静電気保護パッケージだったのは良かったです)。
 ケース付きのカラーディスプレイの筐体の製品にはZIFのピンの割り当てが記載されていましたのでそれを参考にしました。有志のかたがマニュアル日本語化もしてくれているようです。
 ピンアサインに合わせてソケットに測定したい部品を挿入しレバーを倒し測定スイッチを押すと電源が入って測定が開始され、終了するとグラフィカルなイメージとともに表示されます。測定スイッチを再度押さずに放置すると一定時間後に電源が切れるようになっている節電設計。
 測定用ZIFピン配置は結構適当で、まあ言ってしまえば適当に差し込んで測定開始すると自動で判別して測定をしてくれるという横着者にうってつけの器具。
 測定できるのはダイオード(LED含む、入力容量)、バイポーラのトランジスタおよびFET、抵抗、インダクタ、コンデンサーとかなりの汎用性があります。
 特に電流制限抵抗を決める時にLEDの順方向電圧VFを測定するのに大変便利に利用させてもらっています。
 何種類もあるLEDのVFがいくらだったかなんて一々覚えてない(苦笑)ので、とりあえずこれのVFいくらだったっけ?と測定してから抵抗値を決める次第。よく使う電圧と流すIFの値の表を使用しているLED別に作ってしまえば良いのでしょうがそれが面倒臭くて…。

 測定されるパラメータで便利なのはダイオード/LEDの場合は順方向電圧VFの他に接合容量を、バイポーラ素子はNPN/PNPあるいはNch/Pchの極性とピン配置、トランジスタの場合はhFEとVBE(sat)を、FETの場合はVGSとIDDSを、MOSFETの場合はゲート閾値電圧Vthと入力容量が測定できます。
 インダクタの場合はインダクタンスと直流抵抗値、コンデンサの場合はキャパシタンスとESRおよび損失(%)まで表示されて大変かゆいところに手が届く感じでこのコンパクトな基板にも関わらずよくできています。
 測定値には誤差がつきもの。今回の記事を書くにあたって色々な部品を測定してみましたが、まあまあ信用できる値が出てくるのようなので便利に利用させてもらっています。特にトランジスタやFETはピン配置が変則的になっている場合があり、データシートを引っ張り出す前にこれで確認できるは大変ありがたいですね。
 カラーディスプレイタイプの方はもう少し高機能でツェナーダイオードのツェナー電圧、トランジスタやダイオードも上記以外のパラメータ、サイリスタやトライアックも測定してくれるようなので機会を見て購入・検証してみようと思います。

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