米の芯

 醸造業界では普通に使います。

心白
 心白

 心白とは米の中にある白濁した粒状の部分で、隙間が多くあり光が散乱することから白く見えます。隙間が多くあることで製麴時に麹菌の菌糸が中まで入り込み糖化力が大きくなります。また心拍にはデンプン成分がほとんどでタンパク質や脂質の含有量が少ないことから酒の出来上がり時に雑味の元となる成分があまり含まれていないことから心白だけを取り出すことができれば綺麗な酒造りにつながります。
 酒造好適米とされる米には、この心白部分が大きく中央に寄っている特徴があります。
 精米度合いを高くして心白の外側部分を削り心白だけを残して精米することで高品質な酒質が期待できるのですが、高度な精米技術を必要とするため高精白の日本酒は高い精米技術に支えられていると言っても過言ではありません。
 精白時に生じる不具合として米が割れると心白以外の部分が精白後の材料米に含まれてしまいます。近年の高気温による稲の高温障害の現象の一つに硬く粒が小さくなる事があります。硬いため精白を無理すると割れてしまいますし、さらに製麴で麹が米の内部まで入り込む事ができないことから糖化が十分行えず米がきっちり溶けないため同じ原料米の量で醸造しても仕上がる酒の量が少なくなってしまうと言う結果になってしまいます(搾った後の酒粕の量が多い)。
 大吟醸などで当たり前のような35%研きは精白した残り65%は糠として醸造に使用されない贅沢なお酒なのです。
 個人的には最近はやりになりつつある低精白な80%研きのお酒もしっかりと米の味がして好きなのですが、こればかりは好みの問題もありますので一概に高精白が美味しい、低精白は美味しくないと言及できないところが奥深いところでしょう。

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